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高額療養費制度の上限額引き上げ反対

私は看護師を続けながら2011年から研究会やNPO法人を立ち上げて、がん患者さんの経済的な問題について取り組んできました。(関連リンク

社会的苦痛の一つである経済的な問題によって、患者さん達が受診や処方薬を抑制するようになり、その結果、体調が悪化したり十分な痛みのコントロールが行えていないケースを訪問看護の現場でみてきました。

 

また、生活の中で借金を抱えていたり事業の整理がついていないことで、がん患者さんが家族や従業員に迷惑をかけ苦悩しているケースもみてきました。

 

経済的な問題は、たとえ病を抱えていなくても自ら命を閉じようとする方がいるくらい苦しいことです。まして、がん治療を続けている方にとっては、さらに思うようにいかず苦しいことであることは容易に想像できます。その支援制度の3つの柱(高額療養費制度、傷病手当金、障害年金)の一つである高額療養費制度が改悪される可能性がありました。

3月には首相が陳謝するにいたり、ひとまず事なきを得たことは大きな反響を呼びました。(関連リンク

 

この問題に鬼気迫る思いで国会議員に訴えてこられたのは、がん患者団体の方々です。
がんの経験をした方々やそのご家族は多くの支援者の声とともに、この課題に対する政府の動きにNOを突き付けました。

 

では日頃、患者さんに対してケアを行う「看護の団体」は、患者さんの危機に際してどんな取り組みを行ったのでしょうか。

 

日本がん看護学会は2/27に高額療養費制度の上限額引き上げについて憂慮する「緊急声明」を発表しました。3/5には東京都医師会はさらに踏み込んで「緊急声明」においては自己負担上限額引き上げなどの見直し案に反対する声明を出しています。

 

看護職の倫理綱領にあるように看護師は集団としても患者さんの活動やその利益追求について、もっと率直に応援してみてはどうかと思っています。

 

日本人の二人に一人ががんになるのであれば、全看護師の半分は患者になる計算です。自分たちが残してきた支援やケアの結果を、いつか自分たちが受けることになりますから。

(賢見卓也)