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患者に届かない専門用語「妊孕性」

何年も前の調査で「初めてがんになったときに行なったこと」の一つに、「ネット検索」というものがあがりました。はじめて聞くこと、はじめて体験する重大なことは必ず、キーワードを用いてネット検索する時代です。

 

ただ、そのキーワードの選択がうまくいかないときに、思ったような結果にたどり着かないことがあります。医療の分野、がんという疾患の分野では、困っている方に即していないキーワードが浸透しているケースが多いです。

 

今回は「妊孕性」です。

「にんようせい」と読みます。がんそのものや、その治療によって子どもを作ることができなくなるような課題のことを指します。

薬物療法によって生殖能力に悪影響のリスクがある場合や外科手術によって精巣や卵巣・子宮などに影響がある場合などで、その課題と対策などについて「妊孕性」というキーワードで調べることができます。

 

「がんの診断を受けたため治療をすることで、将来、子どもを作ることができなくなるかもしれない」という困りごとを検索しても、しっかりとした支援策にはたどり着けません。

 

高名な専門家の先生方は、一般の方が想像できないような専門用語を輸入したり名づけたりせず、ぜひがん罹患者に優しいキーワードを設定してもらいたいと思います。

 

そして、がんと診断されて悩んでいる方やがんの病状で悩んでいる方は、キーワード検索だけではなく、Windows Copilot  や  chat GPTなどの、「 AI 」も一度は試してみてください。
求める支援策をこれまでよりも深掘りできるかもしれません。

(賢見卓也)