高齢になるにつれて、がんの罹患率は高くなります。
そのため人数だけで言えば、がんの治療を受けている方の多くが、高齢者と言い換えることができます。
昨年「高齢者がん診療ガイドライン 2022 年版」が公開されました。状況の困難さを感じさせる内容でした。
高齢者医療が難しいのは、身体的な面については年齢による個別差が大きいことです。子どもの発達のように年齢で体力や体の機能を分けることができません。
社会的な面については、長く生きてきた分、社会的背景やご本人の価値観・判断基準も大きく異なります。
そのため高齢者の医療について考えるとき、年齢で分けられることもと分けられないことを整理していく必要があるのではないでしょうか。
そして、その課題は未だに整理されていません。
・負担の大きい治療に対する体力
・セルフケアに関する理解力
・家族などのサポート力
・持病との兼ね合い
・年金生活における医療費の負担
・生きがいや余生に関する考え方
・地域のサポート力
在宅がん看護の専門性を考える場合、こういった視点でご本人の意見を整理していく必要があるように感じています。
(賢見卓也)