病院に入院した際に看護師から手渡される書類の一つに「看護計画書」というものがあります。
これまでの経験では、看護過程という看護師のアセスメントを構造化した北米のNANDAという方式が業界スタンダードであったため、訪問看護でもそれに準じたかたちで行ってきました。
しかし、この方式を採用したところで患者さんには非常にわかりづらいのです。
その一方で、このような『看護計画は患者さんやご家族と共有する』ことが義務付けられています。
患者さんにとって、わかりづらい看護計画は誰のためのものなのか・・・。
さらに看護師の専門的な視点で課題を挙げたとしても、患者さんやご家族の心配ごととは一致していなければ意味がありません。
そんなこんなで、私たちは看護師の視点を知っていただくために
①患者さん・ご家族が読んで理解できること
②看護師の視点が網羅されていること
③業務負担を増やさずに機能させること
を念頭において、看護計画を再度検討しました。
欧米の病院看護にルーツを持つ看護診断が、果たして日本の訪問看護に適しているのか?
そうして作られた「看護診断書」は日本の患者さんにとって有益な書類になっているのか?
在宅看護学の複数の研究者にも相談しましたが、議論はそこまで進んでいないようでした。
看護計画は看護師と患者さんの目線合わせとなる大切な書類ですから、もっともっと機能的に変化させるべきだと感じています。